― 正解を探す家づくりから、納得して選ぶ家づくりへ ―
家づくりが進むほど、
「これで本当に合っているのか」
「もっといい選択があるのではないか」
と迷いが生まれやすくなります。
それは、情報が足りないからではありません。
むしろ情報が多すぎて、判断の軸が見えにくくなっている状態です。
このコラムでは、
建物サイズ・コスト・性能・デザインという4つの視点から、
自分たちにとっての“ベストサイズ”を見極めるための質問を整理しました。
すべてに「正しい答え」があるわけではありません。
ただ、この質問に向き合うことで、
家づくりの判断が“自分たちの言葉”に戻ってくるはずです。
① 建物サイズを見極める質問
- 今、毎日よく使う場所はどこか
- 使われなくなりそうな部屋は想像できるか
- 「将来のため」と言っている空間は、いつ・どのくらい使いそうか
- 廊下や移動のためだけのスペースは多くないか
- 今の暮らしを1.2倍にしたら、十分ではないか
建物サイズの判断で大切なのは、
不安を広さで埋めていないかという視点です。
「あると安心」と「使い切れる」は、別の話。
サイズが合っている家は、
生活の中心が自然と定まります。
② コストを見極める質問
- ローン返済後の暮らしを具体的に想像できているか
- 家のために我慢したくないことは何か
- 毎月の固定費に、どれくらい余白を残したいか
- 建てた後に、性能や修繕で後悔しそうな点はないか
- 「今だけ」安く見えている選択になっていないか
ベストなコストとは、
最小の金額でも、最大の金額でもありません。
暮らしを続けられる金額であること。
家計にとって“静かに支えになる存在”であること。
それを判断するのが、コストのベストサイズです。
③ 性能を見極める質問
- この性能は、どんな不快さを減らしてくれるのか
- 数字としての性能と、体感としての快適さは結びついているか
- この地域(滋賀)の気候に合った考え方になっているか
- 家のサイズに対して、性能は過不足ないか
- 将来も維持し続けられる仕様か
性能は、高ければいいわけではありません。
低すぎれば不満になり、高すぎれば負担になります。
「この性能で、毎日を気持ちよく過ごせるか」
それが、性能のベストサイズを見極める基準です。
④ デザインを見極める質問
- 10年後も「好き」と言えそうか
- 暮らしの邪魔をしないデザインか
- 掃除やメンテナンスを想像できるか
- 家具や生活感が入っても成立するか
- 「おしゃれに見せたい理由」は誰のためか
デザインは、完成時がピークではありません。
暮らしが入ってからが本番です。
主張しすぎない、無理をしていないデザインは、
時間とともに価値を増していきます。
⑤ 4つのバランスを確認するための質問
最後に、この質問に答えてみてください。
- この家は、どこか一つだけ頑張りすぎていないか
- サイズ・コスト・性能・デザインのうち、無理をしているのはどれか
- 一つ調整するとしたら、どこを緩めるのが自然か
- 「これなら長く付き合える」と感じるか
4つの要素がバランスよく整っている家は、
説明しなくても「なんとなく心地いい」と感じられます。
それが、ベストサイズのサインです。
まとめ:答えは「外」にあるのではなく、「暮らしの中」にある
家づくりの正解は、
カタログにも、数字にも、流行にも載っていません。
- 自分たちがどんな毎日を送りたいのか
- 何を大切にしたいのか
- 何には無理をしたくないのか
その答えの延長線上に、
建物サイズ・コスト・性能・デザインの
ベストバランスがあります。
この質問集は、
迷ったときに立ち戻るための“軸”です。
もしすべてに完璧な答えが出なくても構いません。
「これなら納得できる」と思えるなら、
それは、あなたにとってのベストサイズです。