BLOG & COLUMNPosts related to
building a house.

ブログ・家づくりコラム

平屋か二階建てか迷ったときの考え方

2025/12/30

富田友菜

― どちらが正解かではなく、どちらが合うか ―

注文住宅を検討していると、多くの人が一度は悩むのが
「平屋にするか、二階建てにするか」という選択です。

平屋は暮らしやすそう。
でも二階建ての方が土地を有効に使える気もする。
デザイン、コスト、将来のこと……考えるほど迷ってしまう、という声も少なくありません。

この選択に、万人共通の正解はありません。
大切なのは、「どちらが優れているか」ではなく、「どちらが自分たちの暮らしに合っているか」という視点です。

この記事では、平屋と二階建てを比べながら、迷ったときの考え方を整理していきます。


1. まずは「今の暮らし」と「これから」を並べてみる

住宅は、完成した瞬間がゴールではありません。
これから何十年も続く暮らしの器です。

考えておきたいのは、

  • 今の家族構成
  • 子どもの成長
  • 仕事のスタイル
  • 将来の体力や生活リズム

たとえば

  • 子育てが中心の今は、家族の気配を感じやすい平屋が合う
  • 将来は一部の部屋を使わなくなるかもしれない
  • リモートワークが定着し、静かな個室が必要になる

こうした変化を想像することで、平屋・二階建てそれぞれの向き不向きが見えてきます。


2. 生活動線を重視するなら「上下移動」があるかどうか

暮らしやすさを大きく左右するのが、日々の移動です。

平屋の場合

  • すべての生活がワンフロアで完結
  • 階段がなく、移動が短い
  • 家事動線をまとめやすい

二階建ての場合

  • フロアを分けることで空間にメリハリが出る
  • 生活音や来客時の動線を分離しやすい
  • 上下移動が発生する

「移動が少ない暮らし」を優先するなら平屋、
「用途ごとに空間を分けたい」なら二階建て、
というように、動線の考え方がひとつの判断軸になります。


3. 土地条件が選択を左右することもある

平屋と二階建ての選択は、土地と切り離して考えることはできません。

  • 敷地がコンパクト
  • 周囲に建物が密集している
  • 建ぺい率・容積率に制限がある

こうした条件では、二階建ての方がプランの自由度が高くなる場合もあります。

一方で

  • 郊外や比較的広い土地
  • 周囲の視線をコントロールしやすい環境

であれば、平屋の良さを最大限に活かしやすくなります。

「平屋にしたい」「二階建てがいい」と先に決めるのではなく、
土地と一緒に考えることが後悔を防ぐポイントです。


4. プライバシーの考え方の違い

平屋と二階建てでは、プライバシーの確保の仕方も異なります。

平屋

  • 家族の距離が近く、気配を感じやすい
  • 外からの視線対策が重要
  • 間取りと外構を一体で考える必要がある

二階建て

  • 寝室や個室を2階にまとめやすい
  • 来客と家族の動線を分けやすい
  • 高さを活かした視線コントロールができる

「家族のつながり」を重視するか、
「距離感や切り替え」を重視するか。
ここにも、それぞれの向き不向きがあります。


5. 将来の安心感という視点

長く住む家だからこそ、将来のことも考えておきたいところです。

平屋は

  • 階段がなく、足腰への負担が少ない
  • 将来のリフォームが比較的しやすい

という点で安心感があります。

一方、二階建てでも

  • 将来は1階だけで生活できる間取り
  • 使わなくなった2階を収納や趣味室として活用

といった工夫をすれば、長く住み続けることは十分可能です。

重要なのは、「どちらが老後向きか」ではなく、
どう使い続けるかを設計段階で考えているかです。


6. コストは“建てる時”だけで判断しない

平屋と二階建てでは、建築コストに差が出ることがあります。
ただし、初期費用だけで判断するのは注意が必要です。

  • 冷暖房効率
  • 将来の修繕
  • バリアフリー改修の必要性

など、住んでからかかるコストも含めて考えることで、見え方は変わります。


まとめ:迷ったときは「暮らしの優先順位」に戻る

平屋と二階建て、どちらにもメリットと注意点があります。
だからこそ大切なのは、比較表で決めることではありません。

  • 毎日の暮らしで何を大切にしたいか
  • 家族との距離感をどう保ちたいか
  • 将来、どんな住まい方をしていたいか

こうした暮らしの優先順位を整理することが、最終的な判断につながります。

家は「正解を選ぶもの」ではなく、
自分たちに合う形を選ぶもの

平屋か二階建てかで迷ったときは、
もう一度「どんな暮らしをしたいか」に立ち返ってみてください。
その答えの先に、きっと納得できる選択が見えてくるはずです。

記事一覧