BLOG & COLUMNPosts related to
building a house.

ブログ・家づくりコラム

これからの家づくりに必要な「ベストサイズ」という考え方(性能編)

2026/01/13

富田友菜

― 滋賀の気候に合った“ちょうどいい性能”とは ―

家づくりで性能の話になると、
「できるだけ高性能な方が安心」
「数字は高い方が正解」
と考えがちです。

断熱、気密、耐震、省エネ性能。
どれも大切な要素であることは間違いありません。
ただ一方で、性能を追い求めるあまり、
自分たちの暮らしや地域性に合わない家になってしまうケースもあります。

そこで大切になるのが、「ベストサイズ」という考え方を
性能にも当てはめて考えることです。


性能にも「高ければいい」ではない理由

住宅性能は、確かに高いほど快適性や省エネ性は向上します。
しかし性能は、家の大きさと同じく
暮らしとのバランスで考える必要があります。

  • オーバースペックで初期コストが膨らむ
  • 性能の違いを体感できない
  • 設備や仕様が複雑になり、将来のメンテナンス負担が増える

こうした状態は、「性能におけるサイズオーバー」とも言えます。

ベストサイズの性能とは、
必要な快適さを、無理なく、長く維持できる性能です。


滋賀の気候を基準に考えるという視点

滋賀県は、日本の中でも比較的はっきりとした四季があります。

  • 冬は冷え込みやすく、地域によっては積雪もある
  • 夏は湿度が高く、蒸し暑さを感じやすい
  • 内陸性の気候で、寒暖差が出やすい

この環境では、
「とりあえず最低限」では明らかに不十分です。
一方で、北海道や寒冷地と同じ基準をそのまま当てはめる必要があるかというと、
そこも慎重に考えるべき点です。

滋賀には、滋賀に合った“ちょうどいい性能”があります。


ベストサイズ性能① 断熱は「冬だけ」ではなく「夏も基準」

滋賀の家づくりで見落とされがちなのが、夏の性能です。

  • 外の熱をしっかり遮る断熱
  • 日射をコントロールできる窓計画
  • 室温が上がりにくい構造

これらが整っていないと、
「冬はそこそこ快適だけど、夏がしんどい家」になりがちです。

ベストサイズの断熱性能とは、
冷暖房に頼りすぎず、夏も冬も無理なく過ごせるレベル

数字だけでなく、
「一年を通してどう感じるか」で考えることが重要です。


ベストサイズ性能② 気密は“体感”を安定させるための土台

滋賀のように、

  • 冬は冷たい外気
  • 夏は湿気を含んだ空気

がはっきりしている地域では、気密性能が快適性を大きく左右します。

気密が低いと

  • 冬は足元が寒い
  • 夏は湿気が入りやすい
  • 冷暖房が効きにくい

といった不快感が出やすくなります。

ベストサイズの気密性能とは、
断熱をきちんと活かせるだけの気密が確保されていること

極端な数値競争ではなく、
暮らしの中で「違いを感じられる」ラインを見極めることが大切です。


ベストサイズ性能③ 耐震は「数字+暮らしの安心感」

耐震性能についても、
等級という数字だけで判断されがちです。

もちろん耐震性は重要ですが、
それと同時に考えたいのが、

  • 家族が安心して暮らせるか
  • 地震後も住み続けられるか

という視点です。

ベストサイズの家では、

  • シンプルな形状
  • 無理のない構造

を選びやすく、結果として耐震性を確保しやすくなります。

性能は、複雑さではなく、素直さで安定する。
これもベストサイズの考え方です。


サイズと性能はセットで考える

家が大きくなれば、
必要な断熱量も、冷暖房のエネルギーも増えます。

一方、ベストサイズの家であれば、

  • 少ないエネルギーで
  • 家全体を均一に
  • 快適な状態に保ちやすい

というメリットがあります。

滋賀のように、
冬も夏もそれなりに厳しさがある地域では、
サイズと性能のバランスが、住み心地を大きく左右します。


まとめ:滋賀での家づくりは「ちょうどいい性能」を見極めること

これからの家づくりに必要なのは、
性能を競うことではありません。

  • 滋賀の気候に合っているか
  • 自分たちの暮らしに合っているか
  • 無理なく維持できるか

こうした視点で選ばれた性能こそが、
ベストサイズの性能です。

高すぎず、低すぎず。
数字だけでなく、体感と暮らしで納得できること。

滋賀で家を建てるなら、
「ちょうどいい性能」を基準に考えることが、
長く快適に暮らすための近道なのかもしれません。

記事一覧