― デザインも“ちょうどよさ”で考える時代へ ―
家づくりを考え始めると、
「おしゃれな家にしたい」
「せっかく建てるならデザインにもこだわりたい」
と感じるのは自然なことです。
SNSや施工事例を見れば、魅力的な家がいくつも目に入ります。
ただその一方で、「実際に自分たちが暮らす家として、しっくりくるのか」
という視点が置き去りになってしまうことも少なくありません。
そこで大切になるのが、デザインにおける“ベストサイズ”という考え方です。
デザインも「盛れば良くなる」わけではない
デザインというと、
- 大きな吹き抜け
- たくさんの素材
- 印象的な外観
といった要素を足していくイメージを持たれがちです。
しかし実際には、
要素を足せば足すほど、
- まとまりがなくなる
- 落ち着かない空間になる
- 住んでから違和感が出る
というケースも少なくありません。
ベストサイズのデザインとは、
やりたいことを全部詰め込むことではなく、必要な要素を整理することです。
家の大きさがデザインの完成度を左右する
家が大きくなるほど、
- 壁や天井の面積が増える
- デザインの判断箇所が増える
- 「間がもたない」空間が生まれやすくなる
という側面があります。
その結果、
- 何かを足さないと寂しく感じる
- 装飾で埋める必要が出てくる
という流れになりがちです。
一方、ベストサイズの家では、
空間に無理がなく、
余計な装飾をしなくても成立するため、
素材感やプロポーションが自然と活きてきます。
デザインのベストサイズは「暮らしが主役」
デザインがうまくいっている家には、共通点があります。
それは、暮らしが中心にあることです。
- どこで過ごす時間が一番長いのか
- 家族が自然と集まる場所はどこか
- 視線がどう動くのか
こうした点が整理されている家は、
派手でなくても「整っている」と感じられます。
ベストサイズのデザインは、
暮らしの流れを邪魔せず、
使われる場所がきちんと美しく見える設計です。
滋賀の住まいとデザインの関係
滋賀は、
- 夏は湿度が高く
- 冬は冷え込み
- 四季の変化がはっきりしている
地域です。
この環境では、
「見た目重視のデザイン」が、
暮らしの負担になってしまうこともあります。
たとえば
- 過度に大きな開口
- 必要以上に高い天井
- メンテナンスを前提にしない素材選び
これらは、
デザインとしては魅力的でも、
滋賀の気候では扱いづらくなる場合があります。
滋賀でのデザインは、気候と暮らしに無理がないことが前提です。
性能編と同じく、デザインにも「ちょうどいいライン」がある
性能編でお伝えしたように、
性能には「高ければいい」ではなく、
地域と暮らしに合ったラインがあります。
これはデザインも同じです。
- 主張しすぎない外観
- 素材を絞った内装
- 使い続けられるデザイン
これらは一見地味に見えるかもしれませんが、
時間が経つほど評価されるデザインです。
ベストサイズのデザインとは、
住む人の生活を引き立てる背景のような存在です。
ベストサイズだからこそ「余白」がデザインになる
家のサイズが適切だと、
- 光の入り方
- 視線の抜け
- 家具の配置
といった要素が、
自然とデザインとして機能します。
余白があるからこそ、
- 季節の変化
- 家族の成長
- 暮らしの変化
を受け止められる。
これは、最初から完成しすぎていない家だからこそ生まれる魅力です。
まとめ:デザインのベストサイズは「長く好きでいられること」
これからの家づくりにおけるデザインは、
「一番おしゃれに見えるか」ではなく、
「何年経っても違和感がないか」が大切になってきます。
- 派手すぎない
- 無理をしていない
- 暮らしに自然に溶け込む
そんなデザインは、
家のサイズがちょうどいいからこそ成立します。
性能編と同じく、
デザイン編でも大切なのは
自分たちの暮らしに合った“ちょうどよさ”を見極めること。
ベストサイズの家は、
性能も、コストも、デザインも、
すべてがバランスよく整った住まいです。
そしてその整い方こそが、
長く心地よく暮らせる家の正体なのかもしれません。